私の幼少から19歳くらいまで、殻に閉じこもることが多かったです。それは「なんで、どうして!」と受け入れられない気持ちを抱えていたからだと思います。誰にも相談することができなかった。この自分の環境に憤りを感じて、ここから逃げようにも逃げられない自分の力のなさに、いら立っていたわけです。でも、そんな気持ちを周りには見せられず、無理に明るく振舞っていましたね。そんなアンバランスな感情のサイクルの中で、もがきながら日々生活していました。
Step1“受け容れる”プロセス
ネガティブなサイクルの中、デザインの仕事に就き、なんとかしようと思っても、来る日も来る日も同じことを繰り返している自分。ただ時間が過ぎていき、エネルギーを消耗してしまうだけだった。
現実を忘れるために懸命に仕事に打ち込んで、体を壊してしまい入院生活をした時期があった。過労だった。療養する中で体調が少し戻ってからは、ベットでぼ~っとしているだけの日々。最初は、世の中のスピードに取り残されるような焦りがあったように思う。
そんなある時「過去を引きずったまま、現実から逃げていたら何も変わらない。ありのままに受け容れるしかない」と、ふと心の声が聞こえた。たしかにそうだなと思えた時、自分の怒りや不安がありのままに受け容れられるようになって、心が少し軽くなり、自分自身に「そう感じていいんだよ」と自分を解放することができたのだった。
Step2“苦難はみんなも経験している”と気づくプロセス
自分を受け容れてからも入院生活が続いていた。周りの人たちに意識が向くようになってからは、観察の日々になった。今まで自分の内側の世界で生きてきた私にとって、周りの入院している人たちを観察すると、私と同じように失敗や苦労している人はたくさんいるのだということに気づくことができた。私だけじゃないのだと思えたら、勇気が湧いてきたことを思いだす。
そんな生活の中で、みんなも頑張っているのだから、「今できることは何だろう」と考えてゆくことが重要だと思えるようになった。起きてしまったことを悩むのは時間の無駄。これからできることを考える時間は無駄にはならないはず。今よりちょっと良くなるには。自分は何ができるだろうと考えるようになっていった。
Step3“自分を励ます”プロセス
数か月の入院生活が終わり、社会復帰してみると、世の中は思っていたほど変化していなかった。そして私は、周りの人たちが同じように失敗や苦労して生きている同士だという視点を持てるようになっていた。ぼ~っと時間を過ごした入院生活は、しんどいこともあったが、私に休息を与えてくれた時間と思えば、私にとって心を癒し、そして社会を理解する大事な時間だったと思う。...
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