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コラム(今月の言葉)|Column
女性活躍推進の未来を築くためのヒント

女性活躍推進法が施行され、企業は取り組みを公示することが義務付けられるようになります。しかし、現実的にはその道のりはたやすいものではないと人事関係者は感じているのではないでしょうか。

そのような状況の中、女性活躍にむけて、ファッション業界でのD&Iを推進しているNPO WEF(ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション)が主催した公開シンポジウムにご招待され参加してきました。

ゲストスピーカーは、ゴールドマンサックス証券株式会社 副会長のキャシー松井さんと、H&Mジャパン 代表取締役社長のクリスティン・エドマンさんでした。松井さんは、アメリカ生まれの日系二世で、エドマンさんは東京育ちの日本人とアメリカ人とのハーフ。お二人とも二人のお子さんの母親でもあります。

そんなお二人からの話で印象に残ったこと、私自身の経験と重なる大事なことを3つまとめたいと思います。


一つ目は松井さんの話から。
彼女は世の中にある女性に対する通説(社会通念)に対して疑問を持ち、経済の視点からそれについての検証をされてきた。スピーチのスライドにあった日米比較で「仕事を辞める理由」では「育児のために辞める」のはアメリカ女性のほうが日本女性の2倍強ほど高く、「仕事への不満で辞める」のは、むしろ日本女性のほうでアメリカ女性の2.5倍高いというものだった。日本女性が「仕事への不満で辞める」比率が高いのは、私の持論を裏付けるものといえる。

それは、日本企業の管理職の多くが持っている(だろう)潜在的男女役割分担意識から、女性社員に対し、責任の重い仕事をさせない傾向が、まだまだあるのだ。そのような状況から、女性社員は仕事内容の変化がないまま勤め続けていくと、仕事への不満や行き詰まり感を持ち退職を選択する、または退職をしなくても働く意欲の低い人材になってしまうと考えられる。


2つ目は、もう一人のスピーカーであるエドマンさんから。
彼女はストックホルムでMBAを取得し、H&Mに就職された。スウェーデンでの暮らしの中で、働き方や子育ての考え方、キャリアの育て方を学んでこられた。H&Mでの話の中で、「Next me制度」というものがあった。上司が育休中に滞る仕事を次の管理職候補をトレーニングする機会と捉え、やらせるというものだった。これは、「育休制度を組織の成長の機会と捉える」というもので、育休から復帰した人は元の職場に復帰することが決まっており、トレーニングされた人は、海外出店の立ち上げメンバーとして活躍したり、近い将来昇進・昇格できるというものだそうだ。

最後は私から。スウェーデンでも女性が管理職になりたくないという意識は日本と同じだが、管理職が何回も本人に対して期待を示し管理職へのアプローチをするという。キャリアアップでの上司の役割で大事な点は、期待を示すという私の持論と同じであった。日本では管理職のコミュニケーションスキルの向上、評価制度の検討などに着手していくことが望まれる。


そして、女性の強みは仕事に真摯に取り組むことであり、生真面目さだが、別の視点ではそれが弱みでもあると思う。仕事の課題と達成期間の中でいかに「要領よく仕事をするか」を考える必要がある。何が求められているか。何が重要かを考えて行動する。(ゲスト二人も、Focusすることの重要性を語っていた。)

これは日常生活でトレーニングできる。まず身近な生活から変えていこう。仕事、子育て、家庭生活すべて一人でやろうとせず、協力者をもつ。家族の協力を得るための手段を持つ。協力者を得るということは、動機付ける力を養うことになる。

自分自身も含め、協力者に対し完璧を望むのでなく、限られた時間の中で、できることをやる。良い加減にやる術を学ぼう。協力者に対して感謝する、褒めることを学ぼう。

人生を豊かにやりがいを持って生きるために、できることから始めよう。




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